2004年夏に発覚した長野県白骨温泉の入浴剤混入事件に端を発する一連の温泉不祥事のあと、各地の温泉地では信頼回復の取り組みが行われている。05年の温泉法施行規則の改正では、温泉事業者に、(1)加水の有無、(2)加温の有無、(3)循環濾過装置の有無、(4)入浴剤添加や消毒の有無と入浴剤の名称や消毒方法の4点について表示義務が課せられた。加水や加温がある場合は理由も掲示する。事件の発端となった白骨温泉では、旅館や共同野天風呂など3カ所の施設で、変色した湯をその名の通り「乳白色」の湯にするため、入浴剤を混入していた。事件発覚後、白骨温泉旅館組合では独自の表示を始めたほか、施設のパンフレットから「乳白色」の文字を消し、温泉の効果は色には関係ないことをアピールしている。07年10月には、温泉資源の保護や定期的成分分析の義務付け(10年ごと)などを骨子とする改正温泉法も施行された。