若者の旅行離れが指摘されるなか、旅行市場の拡大や若者によい旅行体験をしてもらうための振興策。具体的な対策として、観光庁は2010年7月、産学官の関係者からなる「若者旅行振興研究会」を発足させ、12年6月まで2期7回にわたって、若者に訴求する情報発信や商品開発などについて検討してきた。その成果として、まず、11年7月にロゴ・キャッチフレーズ「若旅」を作成。「復興バージョン」「男子・女子向けバージョン」「春・夏・秋・冬バージョン」等、豊富なバリエーションをそろえ、業界に開放した。また、12年6月には、「若者旅行を応援する観光庁長官賞」を創設し、優良な取り組みを行った地域や旅行会社を表彰することとした。「自己の再発見を通じた成長」や「地域の魅力に導かれた日本への愛」など、若者にとっての旅行の意義をアピールすると同時に、地域・旅行業界にとっても、若者旅行の促進が、現在及び将来にわたり旅行市場の維持・拡大につながる点を強調。同時に、若年層が旅行に出かけたくなるようなキャッチフレーズを募集し、267件の応募から「今しかできない旅がある」が選ばれた。12年12月3日には、観光庁長官賞の第1回募集が始まり、若者の旅行振興に寄与した取り組みや仕掛けを講じている地方公共団体、NPO、企業、個人等を対象に、長官賞をはじめ、奨励賞や全国10のブロックごとにブロック賞が選ばれる。表彰は13年6月ごろを予定。