観光庁の概要によれば、「東北地域全体を一種の博覧会会場と見立てて、短期的には大きく落ち込んでいる東北地域への観光需要の喚起、中長期的には地域が主体となった新たな観光スタイルを実現するため、官民を挙げた一体的な取り組みを実施する」もので、震災復興を視野に、観光資源の掘り起こしと各地の連携強化へとつなげるのが狙い。「多くの人に、東北の、美しい風景と心に触れてほしい」「縄文の時代から脈々と続く、東北の魂に触れてほしい」との願いを込め、「こころをむすび、出会いをつくる。」をテーマとした。具体的には、東北地域への送客を強化するとともに、東北の主要な観光地域28カ所を核とする「ゾーン」を設定。地域に精通し、その魅力を発信する「地域観光案内人」の配置や、地域独自の観光コンテンツの提供等を行い、地域が主体となった持続的な取り組みの定着を図る。2012年3月18日から本格スタート。会期は13年3月末まで。12年7月にはみやこゾーン、9月には気仙沼ゾーンも加わった。12年12月上旬に発表された同年3~9月までの中間レポートによれば、東北への延べ宿泊者数は震災前年(10年)の実績を8%上回り、地域に与えた経済波及効果も約460億円と推計されるなど、同博が東北復興に一定の貢献を果たしていることがわかった。