路線バスのように好きな停留所を選んで自由に乗降でき、効率よく京都を巡れる観光周遊バス。2013年4月から運行が開始された。世界遺産6カ所をはじめとする京都の主要な観光スポットを走る。ルートやダイヤもわかりやすく、乗り換えもいらない。世界の大都市、例えば、ロンドン、パリ、サンフランシスコなどでは当たり前になっている観光システムだが、京都では初めてのHop-on Hop-off(乗り降り自由)型観光循環バスとなる。車内では、世界遺産などの寺社の説明のほか、京都にまつわる歴史やエピソードなども聞ける。また、途中で降りずに京都を一周するという使い方もある。主な回遊箇所としては、西本願寺、二条城、金閣寺、下鴨神社、銀閣寺、清水寺、晴明神社、北野天満宮、大徳寺、平安神宮、知恩院、八坂神社、高台寺、三十三間堂などがある。乗車料金は、大人2000円で、一日乗り放題。日曜・祝日の午前8時40分からほぼ1時間間隔で1日10便が周回運行。平日は運行していない。座席は4列シートで40~50席。1日の合計乗車人数も限定する定員制にして、全員が座れるようにしてあるため、事前予約が基本。乗車券を当日購入してスタートすることも可能だが、満席の場合は当日購入できない。英語、中国語、ハングルの音声ガイドも楽しめる。このバスが考案された背景には、現在の不便で疲れる観光事情がある。電車、バスなどの公共交通機関を利用した場合、「乗り場や路線がわかりにくく、ルートを理解して乗りこなすのが難しい」「満員・立ち席状態のバスが多く、座れない」、「待ち時間が長い」などの苦情が少なくない。今後需要が増加すれば、増便や逆回りルートの運行も期待できるし、平日の運行も希望する旅行客が増えることが予想される。