視覚障害者の目の役目を果たすように訓練されたイヌ。日本では1957年に(財)アイメイト協会が、67年には(財)日本盲導犬協会が設立され、訓練育成が本格化した。現在の育成団体は全国に9団体ある。盲導犬として繁殖されたイヌは生後約2カ月でパピーウォーカー(社会性を身につけさせるために一般家庭で飼ってくれる里親のボランティア)に預けられ、10カ月~1年間を過ごす。その後、訓練所で適性判断と約10カ月間の訓練(訓練内容と期間は施設により異なる)を経て視覚障害者に無料貸与される。飼い主になる視覚障害者はイヌとの合同合宿訓練を4週間受け、盲導犬の扱い方と世話の仕方をマスターする。人込みを怖がるなど、盲導犬としての適性が認められなかった場合は不適格犬として里親に引き取られることになる。また盲導犬の実働年数は8~10年で、引退後の里親を引き受けるボランティアも必要。全国の視覚障害者(全盲)は約10万人、そのうち盲導犬の希望者は5000~8000人ほどとされるが、まだまだ供給数は不足しているのが現状。