ペットが家族の一員としての地位を確立したことや少子化の影響、さらには動物に癒しを求める傾向の高まりから、ペット産業が多彩な広がりを見せている。ペット飼育のための設備を備えたペット可マンション(→「ペット可住宅/ペット共生住宅」)の売れ行きは好調で、首都圏では2007年のペット可マンション戸数は5万2578戸、普及率は86.2%に達している。成田空港には獣医師が常駐する豪華ペットホテルがオープン、ドッグカフェをはじめとするペット同伴で行ける飲食店(ペット・カフェ)や、ネコと遊べる喫茶店(キャットカフェ、猫カフェともいう)などにも人気があり、愛犬同伴のバスツアーも企画されている。ペットのためのエステサロン、アロマテラピー、スポーツジム、写真スタジオ、イヌ同士のお見合いパーティーや結婚式などもある。その他、飼い主が留守のときにペットの世話をするペットシッター、老犬の世話をする訪問介護、行方不明になったペットを探すペット探偵、子イヌのしつけのための幼稚園、イヌのメンタルケアをするドッグセラピスト、しつけや健康管理などの相談でイヌとの暮らしをサポートするドッグライフカウンセラーとさまざまな業種がある。大型犬などのペットとともにトラックに乗って転居できる引っ越しサービスや、自分が死んだあとペットの世話を代行するサービス、ペットとともに納骨ができる霊園もある。病気やケガの治療費のためのペット保険も、08年4月以降ようやく金融庁に認可・登録された正式な「保険商品」となった。ペット用品の開発も盛んで、健康食品にも人気がある。また老犬介護のための紙オムツも売れ行きを伸ばしている。飼育関連以外では、警察犬訓練所で訓練を受けたシェパードとともに自宅や会社、コンビニ、金融機関などに出張して防犯パトロールをする「シェパード防犯サービス」などもある。