イヌやネコに寄生吸血するノミには、ネコノミ、イヌノミ、ヒトノミ、ニワトリノミがあるが、現在の日本ではイヌ、ネコについているノミの大半はネコノミである。ノミは卵→幼虫→さなぎ→成虫→卵という生活環をたどる。卵は、普通2~5日で孵化し、室内ならカーペットや畳の中、家具の隙間などで成長しさなぎになる。幼虫やさなぎの期間はノミの種類などによりさまざま。成虫はイヌやネコの体表上で生活する。ノミの寄生はかゆみや刺激を引き起こし、時にはアレルギー性皮膚炎の原因ともなる。また、ノミは瓜実条虫(犬条虫ともいう)の中間宿主で、イヌ、ネコ、ヒトにこの条虫を媒介することがある。ノミの駆除に関しては、シャンプー、首輪、滴下剤、内服薬、注射などの駆除剤が開発されているが、成虫のみの駆除ではノミの被害は免れない。幼虫やさなぎに作用する昆虫発育阻害剤を併用することにより、効果的に周囲の環境からノミの駆除ができる。