飼育環境の改善や獣医療の向上の結果、老齢のイヌが増加している。それに伴って、人で言う認知症(痴呆[ちほう])といえる症状を見せるイヌが増えてきた。夜間に意味もなく鳴きだし、制止しても聞かない、歩行が前進のみで、部屋の隅などにぶつかって後ずさりできずに鳴く、突然眠りだす、などといった症状である。これらの症状は病気が原因の場合もあるので、獣医師の診察を受けたほうがよいだろう。症状の改善や予防には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の投与が効果的といわれているが、日常的に規則的な運動をさせたり、人や他の動物と遊ぶといった適度な刺激を与えたりすることが大事。