家畜は、人が用意する環境の中で、人が望ましいと考える形質を残すように繁殖される。その「望ましい形質」が、当初は番や狩りなどの実用的な能力であったものが、イヌやネコのようなペットの場合は、審美的な外観であったりする。望ましい形質を維持するために、近親交配によって遺伝的なばらつきを減らすことはできるが、有害な形質が受け継がれることがある。ペットの遺伝性疾患の多くは、常染色体の劣性遺伝子として受け継がれている。これら遺伝疾患を特定し、なくしていくため、DNA検査は有効である。繁殖に用いるイヌのDNAをデータベース化し、データに基づいて繁殖用プールから除外したり、正常な個体とのみ交配させることにより、遺伝疾患を排除する試みが世界各地で行われている。股関節形成不全や肘関節形成不全、汎進行性網膜萎縮などである。