ブタ、ウシなどの偶蹄目が感染する口蹄疫ウイルスによる伝染病。家畜に感染した場合、経済的被害は甚大となるので、家畜伝染病予防法によって法定伝染病に指定されている。症状は、2~8日間の潜伏期の後、発熱、元気消失、多量の流涎、舌・歯茎・蹄付近の軟らかい部位に水疱が発生するなど。また、ウイルス血症を発症するので、感染動物のすべての組織、分泌物、排泄物が感染源となる。感染経路は空気感染、経口感染、接触感染などで、伝染力は強力である。イヌネコなどは感受性がないので感染しないがウイルスを運ぶ可能性があり、移動禁止となる。幼畜の感染では死亡率が50%を超えることもある。成畜の場合は死亡率は5%以下であるが、摂食や歩行障害のために肉量、乳量の産生が減少するため畜産業にとっては被害が大きい。診断は遺伝子診断で行う。治療は行わず、すべて速やかに殺処分となる。