人間の呼気や尿、便のにおいでがんの有無をかぎ分けることのできる犬のこと。がん患者に共通する特有のにおいを感知する。がん探知犬の研究は1990年代にアメリカで始まり、以後イギリス、フランス、オーストラリアなどで進められている。日本には個人が経営する「セントシュガーがん探知犬育成センター」があり、日本医科大学付属病院や九州大学とともに「がんに共通するにおい物質の発見」に取り組んでいる。病態をにおいで感知する犬としては他に、低血糖アラート犬、てんかん探知犬がいる。低血糖アラート犬は、Ⅰ型糖尿病患者が用いるインスリン療法による副作用である低血糖をかぎ分けて患者に知らせる。患者が反応を示さない状態であれば吠えて周囲に助けを求め、助けがいない場合は電話の受話器をはずしてあらかじめ設置してある緊急通報用パッドをたたいて救急車を呼ぶよう訓練されている。てんかん探知犬はてんかん発作を予知して患者に知らせたり電話機を持ってきたりする。