自治体や組合などが休閑地を区画して、野菜や花作りの場として地域住民に提供する家庭用農園のこと。ドイツのクラインガルテン(Kleingarten 独 小さい庭)が元祖といわれる。イネ作り、野菜などが収穫できる日帰り体験農場、年間契約で利用できるラウベ(laube 独 小屋)と呼ばれる簡易宿泊施設付きの滞在型市民農園や、有機栽培農家などに住み込みで働く見返りとして、無料で宿泊と食事ができるウーフ(WWOOF Willing Workers on Organic Farms)も増えてきた。東京都武蔵野市では、公園の半分ほどを使って市民が農業体験できる農園型公園を開設した。2007年に小田急電鉄成城学園前駅で、地下ホーム化により線路上の人工地盤にできた会員制の市民農園では、病害虫の侵入を防ぐため、種苗や道具は事務所で準備し、要望があれば日頃の水やりや作業などを代行サービスしたり、講義や実習を通じて栽培方法を学べるなどの新しい試みがなされている。農林水産省によると、市民農園は08年3月末に3273カ所であった。農林水産省や自治体のホームページで、市民農園を開設する場合の留意点や融資制度、補助事業などについて、利用者に対しては市民農園の場所などの情報収集が可能である。