「株式会社サカタのタネ」が2006年に発売したツリフネソウ科インパチェンス属を掛け合わせた種間雑種による新品種。名称は太陽(sun)と忍耐(patience)に由来する。従来夏花壇用に植えられてきたアフリカホウセンカやニューギニアインパチェンスは、高温や直射日光、風雨に弱い欠点があるが、サンパチェンスは(1)暑さに強く、初夏から晩秋まで花を楽しめる、(2)日向でも半日陰でも生育が旺盛で大きく育つ、(3)花持ちがよく、台風などによる雨風にも再生力が強い、などの特徴があり、夏花壇に使われるようになってきた。しかし、今注目されているのは旺盛な生育力に起因する環境浄化能力。特に(4)自動車の排気ガスなどに含まれる環境汚染物質の二酸化窒素(NO2)、シックハウス症候群の原因物質ホルムアルデヒド(HCHO)、地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素(CO2)で、高い吸収力を発揮。また(5)蒸散量の多いサンパチェンスは、周囲の温度を下げる能力が他の植物より高く、夏場に道路や露地などに水をまき、気温を下げる「打ち水」と同様の効果も期待できる。10年12月現在、花壇や大型プランターに適する「サンパチェンス」シリーズと、ベランダや普通サイズのプランターに適する「サンパチェンスキッズ」シリーズで計12品種を販売中。