植物が冬を経過後、春になって成長を開始する性質を利用して、人為的に成長サイクルを早める方法を言う。春に成長を開始する植物の多くは、冬の間に温暖になっても成長しない。これは、自己防衛のために、一定期間の低温を受けない(冬を経過しない)と成長を開始しない性質「バーナリゼーション(vernalization)」を、遺伝的に持っているためである。逆にこの性質を利用して、人為的に低温を与えることにより、植物に冬が終わったと誤解させ、その後温暖条件に移せば、早期に成長を開始させることが可能になる。特に春に開花する植物は、低温処理を施すことにより開花が早まるものが多いので、春化処理ともいう。チューリップ、ヒアシンス、フリージア、スイセン、アイリスなどは、この処理により秋から開花させることが可能になり、長期間花を楽しむことができるようになった。