これまでに存在しなかった新しい生物品種を作り出すこと。その際その特徴が遺伝的に保たれる必要がある。一般には「品種改良」と呼ばれる。植物の場合、同一種類中の性質の異なる個体群から目標とする個体を選び出していく分離育種法、目標とする性質を持った個体の花同士を交配して得られた種子から、目標に合うものを選び出していく交雑育種法、放射線などを利用して突然変異を誘発する突然変異育種法、コルヒチンなどの特殊な薬品を利用して染色体数を増やす倍数性利用育種法、細胞融合や遺伝子組み換え技術を利用したバイオテクノロジー育種法などがある。日本における花の品種改良は江戸時代に愛好家から始まり、キク、アサガオ、ハナショウブ、スカシユリなどでは世界に誇れる園芸品種が育成された。現代ではペチュニア、トルコギキョウ、アジサイ、ヒマワリ、リンドウ、ハボタン、パンジー・ビオラ、ストック、シンテッポウユリなどの品種改良で世界をリードしており、大量の種子や苗が世界各国に輸出されている。