スガワラビランジは、2007年シベリアのコリマ川下流域の永久凍土層の地下38メートルにあったリスの冬眠用の巣穴で発見された、ナデシコ科の植物。ロシア科学アカデミー細胞生物物理学研究所が、植物体の完全再生に成功。12年2月20日、アメリカ科学アカデミー紀要に発表した。見つかった果実は約3万2000年前のもので、再生に成功した最古の植物となる。当初、種子発芽などを行ったが失敗したため、果実組織から人工的にカルス(callus)を作成することで、再生に成功した。カルス(癒傷組織)とは、植物の傷口などにできる細胞塊で、脱分化と言われる不定形な状態で増殖し、そこから元の組織や器官が再生する。一方、日本でも大賀一郎博士が、2000年以上前のハス(Nelumbo nucifera)の実から植物体を完全によみがえらせている。1951年3月30日と4月6日に千葉市検見川(当時)の東京大学農学部厚生農場(当時)内の泥炭層で見つかった3粒のハスの実を博士の自宅で発芽処理し、芽吹いた苗を同年6月に千葉県農業試験所(現・県農林総合研究センター)に移した。そこでできた地下茎(レンコン)を地元旧家の当主伊原茂氏に栽培委託したところ、翌52年7月18日に初花が開花した。このハスは博士の姓を採って「大賀ハス」と命名され、国内は元より世界各国へ移植され、友好と平和のシンボルとして、今も美しい花を咲かせている。