いずれも千葉大学大学院園芸学研究科植物細胞工学研究グループと石原産業株式会社との共同研究によって、世界で初めて作出された花。石原産業がツユクサから単離した青色遺伝子を、千葉大学が土中にいる細菌を使った遺伝子組み換え(アグロバクテリウム法)により培養細胞に導入し、植物体を再生して開花に至った。コチョウランでは、ピンクの品種「ウエディングプロムナード」の培養細胞に青色遺伝子を導入。4年をかけて植物体を作り出し、2012年2月15日に初花が開花した。花色はツユクサに似た美しい青色で、元品種が持つ色素アントシアニン(anthocyanin)のうちシアニジン(Cyanidin)とペラルゴニジン(Pelargonidin)が大幅に減少し、8割程度がツユクサに由来する青色の代表色素デルフィニジン(delphinidin)になっていた。なお、開花株ではすべて程度の差こそあれ、花弁が奇形になる培養変異を示していた。一方ダリアでは、濃桃色の一重品種「大和姫」の培養細胞にツユクサの青色遺伝子を組み込んだ。その結果、11年4月18日に、青紫色で一重の初花が開花。さらにこの個体をピンクの大輪八重品種「ラブシグラル」と交配し、得られた種子をすぐにまいたところ、4カ月後に様々な花型の、青から紫の花色を持つダリアが開花した。