糸状菌(カビ)の一種ディプロカルポン・ロザエ・ウォルフ(Diplocarpon rosae Wolf ラ) によって引き起こされる病害。バラ科植物に発生し、バラやナシでは深刻な被害をもたらす場合がある。英語名をBlack spotというため、バラでは黒点病あるいは黒斑病と呼ばれることが多いが、学術的には黒星病という。主に茎葉が侵されるが、花蕾(からい)が侵される場合もある。病状は、まず紫~褐色の小さな斑点ができ、その後病斑が拡大する。病状が進むと病斑の周りが黄色く退色し、病斑上に黒い粒状のものがたくさん認められるようになる。さらに進行すると葉が容易に落ちるようになり、甚だしい場合は枯れる。葉に付着した胞子は、20℃前後の温度条件下で、同時に水滴があると6~7時間で発芽し、3~6日で発病する。したがって、露地のバラでは春から秋にかけて雨の多いときに多発するが、水滴のつかない温室バラでは発生しない。病葉や落葉して株元に散乱している落ち葉(病葉)が主な伝染源になるので、防除のためには病葉、病枝、枯れ葉を集めて焼却する。また、登録農薬を安全使用基準に従って散布する。