一重咲きは単弁咲きともいう。花弁の基本数は芽生えの時の子葉が2枚ある双子葉類では4か5かその倍数、子葉が1枚の単子葉類では3かその倍数と定まっていて、その基本数もしくはそれに近い数の花弁を持つ花を一重咲きという。なお、たくさんの小花が集まって一輪に見えるコスモスなどキク科の集合花では実用園芸の視点を重視し、花弁のように見える舌状花が外周1列程度存在する場合を一重咲きと呼び、多く重なっている場合を八重咲きと呼んでいる。八重咲きは重弁咲きともいい、花弁数がその種の基本数より著しく多い場合を指す。八重の程度により半八重、八重、超八重と区別して呼ぶこともある。キキョウやツツジに見られるような花弁が二重になった場合を特に二重咲き(ふたえざき)というが、英語では二重、八重、超八重ともdoubleと呼び、区別はない。半八重は中央部の花弁の発達が外側花弁より劣る場合を指し、アネモネ咲きまたは丁字咲き(ちょうじざき)ともいう。英語ではsemi-doubleと呼ぶ。花弁数の増加は例えばバラのようにおしべ、めしべ、あるいは萼(がく)が花弁に変わる場合が多いが、その他カーネーションのように花弁そのものが数多く形成される場合や、アサガオのように裂けた花弁の裂片が大きくなる場合、およびそれらが複合している場合がある。