庭に植え付けた草木を、必要に応じて移動する作業を植え替えという。鉢植えの草木を別の植木鉢に植え替える場合を特に鉢替えと呼ぶ。植え替えではまず、対象植物を根ごと掘り上げるが、その際ある程度の断根は避けられない。ただし、断根により吸水量が減るので、断根量に見合う分だけ茎葉を切り落とす必要がある。このように調整した植物を、適量の肥料を混和した移植地に植付け、たっぷり水を与える。移植地が遠い場合は植物を麻袋などに入れて運搬する。植え替え時期は、冬に地上部が枯れても次の春にはまた成長を始める宿根草や、毎年秋に葉を落とす落葉樹では晩秋から早春が適期で、特に萌芽前の2月頃が最適である。一方、一年中緑の葉を保つ常緑樹は、夏を避けた4月中旬~梅雨と、9月中旬~10月中旬が適期。鉢替えは、器が窮屈になり鉢底から根が出てしまった状態や、根が増えすぎた根詰まりで水の通りが悪くなってしまった状態、あるいは虫や雑菌の繁殖で生育に適さなくなった状態、地上部と地下部がバランスの悪い状態になった鉢物を対象に行う。より大きな植木鉢に替える場合を除き、ある程度断根して根を更新させる。鉢替え時期は基本的に植え替えと同じだが、根鉢を崩さずに植え替える場合は、時期を選ばなくてよい。また、植物の種類によっては、生育期に植え替えても問題ないものもある。