日本の環境省とベルサイユ宮殿の協力事業として始まったプロジェクトの一つ。2012年3月、東北支援・日仏文化交流事業「フランスからの贈りもの」として新宿御苑(東京都・新宿区)で行われたイベントに際し、日仏両国は知識と情報の交換、展示会の開催、庭園管理に関する技術的助言の提供などについて相互協力を行う、正式な文化交流事業として、3年間にわたる協力協定を結んだ。その一環として、日本側からは、ベルサイユ宮殿にて菊の「大作り」の展示、フランス側からは新宿御苑におけるフランス式庭園復元プランの検討等が行れることとなった。「大作り」とは、一株から数百輪の菊花を一斉に開花させ、形成する伝統的な仕立て方の技法で、新宿御苑が継承している。協定の最終年に当たる14年9月中旬、新宿御苑で丹精された菊が飛行機でフランスに運ばれ、特別に建てられたハウスで、日本からやってきた10人とベルサイユ宮殿の庭師たちが共同作業を行い、11月には幅3.6メートルもある「大作り」が完成。ベルサイユ内の離宮グラン・トリアノンの正面で威風堂々とした姿を見せた。フランスにおける「大作り」菊の展示は、1900年のパリ万国博覧会以来となる。