どちらも軟体動物門・腹足綱・有肺亜目・柄眼目に属する陸生巻貝の一種。ナメクジは、カタツムリの進化の過程で貝殻が徐々に退化して小さくなり、体内に入って見えなくなったものだが、実際には貝殻の名残を残した、コウラナメクジの仲間など、両者の中間の形態を持つ種類もある。いずれも、農作業や園芸において植物の花弁、新芽、若い葉などの柔らかい部分を好んで食い荒らし、直接的な被害をもたらすことが多い。また、見た目から屋内や庭では不快害虫とされる場合もある。駆除方法は多くあるが、最もよく知られているのが塩をかける方法。これは、浸透圧を利用して体の主な構成要素である水分を抜いてしまうので、砂糖や重曹でも有効だ。ただし、この方法には相当量の塩等が必要で効率的ではないため、大量発生の場合にはナメクジ駆除剤が利用されている。また、ナメクジはビールに誘引される性質があるため、ビンや缶にビールと専用の駆除剤を入れてナメクジの出やすいところに仕掛けると、比較的容易に駆除できる。一方、駆除は望めないが、ナメクジは銅イオンを忌避する性質があるため、銅線や銅板を利用した予防措置も多少は有効とされる。ただ、ナメクジもカタツムリも、広東住血線虫などの寄生虫の中間宿主となるため、本体やはった跡を素手で触れるのは避けた方がよい。