映像や音声を、物理的または電気的に連続した波形として記録したものがアナログ(analog)であり、これを0と1で表されるデジタル(digital)信号に置き換えることを符号化という。0と1という単純なデジタル信号は伝送の過程で外部雑音に汚染されにくく、無劣化のコピーが可能である。アナログ信号の符号化は、まず時間軸に沿って連続するアナログの波形を一定の時間間隔で測定する標本化(sampling)が行われる。一般的にはサンプリングと呼ばれ、一秒間に測定した回数はHz(ヘルツ)の単位で表され、これをサンプリング周波数(sampling frequency)と呼ぶ。例えば、音楽CDの場合、サンプリング周波数は44.1kHz(キロヘルツ)であり、1秒間に4万4100回の測定を行っていることを表す。次に、標本化で測定されたデータ、すなわち信号の強弱を数値に置き換える量子化(quantization)を行う。量子化には段階数があり、その単位はbit(ビット)で表され、これを量子化ビット数(quantization bit rate)と呼ぶ。音楽CDは16bitで量子化されており、強弱を6万5536段階で表す。標本化、量子化ともに、数値が高いほど、元のアナログ信号の波形をより忠実に再現できるため、高音質となる。