サラウンド音声の立体感を再現するには、基本として視聴者を取り囲み立体感を再現する5本のサラウンドスピーカー(surround speaker)と、重低音で迫力を再現する1個のサブウーファー(subwoofer 5.1chの0.1chに相当)、5.1ch(チャンネル)音声をデコード(圧縮信号を伸長)してスピーカーを駆動するAVアンプ(AV amplifier)などから成る5.1chサラウンドシステムが必要となる。ただし、日本の一般的なユーザーは、住宅事情や配線の煩わしさから、視聴位置の後方に設置するリアスピーカーを嫌う傾向があり、前方のスピーカーだけで、聴覚の錯覚を利用し、疑似的なサラウンド効果を生み出すバーチャルサラウンド(virtual surround)や、フロントサラウンド(front surround)と呼ばれる技術を用いた製品が人気である。なお、バーチャルサラウンドは、サラウンド効果を得られる視聴エリアが限られたり、サラウンドの効果にも限界があるなど、簡易的な性格が強い。