LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介して、書斎のパソコンに蓄積した映像や音楽をリビングのAV機器で視聴するなど、コンテンツの場所に関係なく、どこでも視聴を可能にすることがネットワークAVの概念。普及には、パソコンとAV機器や、異なるメーカーのAV機器間でも相互に接続できるようにすることが肝要である。その標準規格的存在がDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインであり、対応製品が増えている。機能を明確に訴求するため、メーカー独自のネーミングを持つ場合もあり、ソニーでは「ルームリンク(Room Link)」と呼ぶ。LAN上でデジタルコンテンツの著作権保護を行うDTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)が社団法人電波産業会(ARIB ; Association of Radio Industries and Businesses)で承認され、家庭内でデジタル放送番組の配信・共有が可能となった。また、DTCP-IPには新機能のDTCP+が追加され、チューナー内蔵機器を除くストレージに蓄積した録画番組を屋外に転送できる仕組みも登場している。ほか、2014年2月に次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は、「デジタル放送受信機におけるリモート視聴要件 Ver1.0」を公開し、自宅のチューナー内蔵レコーダーに録りためた映像や、放送番組のリアルタイム転送など、外出先のスマートフォンなどでテレビ番組をより手軽に視聴できる環境の実現に向けて動き出した。