液晶テレビの仕組みは、おもに赤、緑、青のカラーフィルターをバックライトで照らし、映像を構成する画素(液晶シャッター)で光の透過量を調整して映像を表現する。光源は蛍光管の一種であるCCFL(cold cathode fluorescent lamp 冷陰極管)から、より発光効率の高いLED(light emitting diode 発光ダイオード)に置き換わりが進んでいて、大画面でも明るい映像と低消費電力が特長である。また、一部のメーカーからは、光源にレーザー光を利用した製品も登場していて、将来的には、LEDを超える鮮やかな色彩と低消費電力が期待できる。10V型(画面の対角線が10インチ≒25センチ。「V」はvisual sizeの意味で、映し出される映像の大きさを示す)未満の小画面から、80V型を超える大画面まで製品化されており、多くのメーカーから多種多様な製品が発売され、薄型テレビ市場で9割のシェアを占める。従来、液晶テレビの弱点であった、動画像が尾を引いたように見える「動画ボケ」と呼ばれる現象は、元来60コマ/秒(60Hz〈ヘルツ〉)の映像を120コマ/秒に作りかえる「120Hz駆動」や「倍速駆動」、さらにその2倍の240コマ/秒に作りかえる「240Hz駆動」や「4倍速駆動」と呼ばれる技術により、年々改善が見られる。また、もう一つの弱点であった、視聴する場所の周囲が暗い際に、バックライトがシャッターのすき間から漏れ、黒であるべき部分が白っぽく見える「黒浮き」という現象も、液晶パネル自体の改善や、あるいは、バックライトに使用しているLEDを部分的に消灯する「局所輝度コントロール」といった仕組みにより、目立たないように改善が進んでいる。最新の製品では、3D映像(スリーディー映像)に対応した製品も登場しているが、液晶の明るく低消費電力な基本性能を生かし、3D視用メガネを装着しても明るい映像が得られる点で優れている。