デジタル信号をアナログ信号に変換することなくスピーカーから放出し、空間で人が聞き取れる音に合成する新技術。専用のアンプとスピーカーで構成する。従来のデジタル方式とは、CDなどにみられる、音源のデジタル化、伝送経路のデジタル化、アンプのデジタル化を指すが、スピーカーはコーンの振動によって人の耳が聞き取れる音波を作り出していることに変わりはなかった。フルデジタルシステムは、専用のアンプと駆動するビット数に対応した複数個の比較的小さなコイルをもつスピーカーを組み合わせ、システム内でアナログ変換を行わない点で全く新しい技術といえる。製品レベルのメリットとしては、アナログ変換によるロスを省くことによる低消費電力化、小さなスピーカーでより大きな音が得られることによる小型化、音を届ける方向や範囲のコントロールなどが期待できる。