音声のアナログ波形をデジタル化(符号化)する方式の一つ。CDを上回る高音質メディアとしてソニーとフィリップスが共同で開発したSACD(Super Audio CD)に採用された。「DSD」はソニーの商標。CDなどが採用するPCM(pulse code modulation)方式は、音の高低をサンプリング周波数44.1kHz(キロヘルツ)で標本化し、その音の大小をそれぞれ16bit(ビット)で量子化して表現するのに対し、DSDでは1bitのパルス波形の疎密で表現する違いがある。この疎密は2.8MHz(メガヘルツ Mは100万)あるいは5.6MHzで、CDよりも格段にきめ細かくサンプリングされ、原信号のアナログ波形に近く滑らかな再現が可能となっている。背景として、DSDを採用するSACDは再生に専用装置が必要なため、音質には定評があるものの、オーディオマニア以外に広く浸透していないが、最近ではインターネットによる音楽配信やネットワークプレーヤーの普及により、DSDを音楽ファイルとして扱える環境が整い、その手軽さが受けて、再び注目を集めるに至った。