音声の波形をそのまま溝の形状として円盤状のシートに刻んだメディア。CDのようにデジタル化されていないため、再生時は回転するレコードの溝に専用の針を乗せるだけで、記録した音声を再生することができる。オーディオ装置では、針で振動として拾った微小な音声信号を増幅し、スピーカーを通じて大音量で聴く。原理は1800年代に発明され、現在の平盤を回転させるアナログレコードの原型は、1887年にエミール・ベルリナーが発明したグラモフォン(gramophone)である。アナログレコードは、1980年代に登場したCDに代替されて久しいが、近年、CD登場以降に誕生した若い世代を中心に再び注目を集め、欧米では2008年前後から大幅な増産に転じている。現在では、新譜をアナログレコード盤でリリースするアーティストも登場するなど、国内でも話題となっている。