国土交通省の定めるリコール制度に基づき、車の構造的欠陥による故障や事故を未然に防ぐために、該当車両の無料修理を行うもの。この制度は、1969年度に開始され、99年からは、道路運送車両法においてリコールの勧告制度、罰則の適用等の規定が整備された。2003年からはリコールの確実な履行のため、国が「命令」を出せるようになり(命令権の新設)、罰則も、報告義務違反を犯した法人に対しては最高2億円の罰金(従来は20万円)を科すなど、厳罰化された。リコールの対象となる恐れがある場合、自動車メーカー等は国土交通大臣へのリコールの届け出が義務付けられ、届け出の直後からユーザーへ通知して、早期に回収・修理のための措置を講じる必要がある。最近発生したリコールの例としては、09年にトヨタがアメリカで販売したレクサス車などで、フロアマットがアクセル操作を妨害する可能性があるとして、400万台規模のリコールを実施。11年1月には、「ノア」「ヴォクシー」など乗用車16車種の計120万2800台を対象に、燃料パイプから燃料が漏れる恐れがあるとして、国土交通省にリコールを届け出ている。