植物などの生物体(バイオマス)を構成している有機物を使って作り出した燃料。具体的には木材などからエタノール(エチルアルコール)やメタノール(メチルアルコール)、食用油などからメチルエステルなどを作り、これを自動車用燃料として利用するものを指す。CO2排出がゼロとみなされるほか、硫黄分がないために硫黄酸化物(SOx)の排出がゼロ、一酸化炭素・炭化水素(すすや黒煙)が少ないなどの特徴を持つ。その一方で、これを混合させたガソリンは一般ガソリンと比べて割高になると見込まれ、既存のガソリンエンジン車にそのまま利用するとアルコールによる金属の腐食などにより、不具合が生じることが予想される。そこで国は2003年5月に揮発油品質確保法を改正、エタノール含有3%の混合許容値を定めた。このエタノール混合ガソリンは一般にE3燃料と呼ばれ、環境省は12年までにバイオエタノールを使ったE3燃料の全面普及を目標として掲げている。また、アメリカなどで流通しているエタノール10%含有のE10燃料についても、将来の導入を見据えた新車の対応などを促している。しかし、この特需の影響もあって、トウモロコシや大豆などが燃料加工に回され、飼料や食料加工品の価格が高騰するなどの影響も出始めている。