2008年6月1日に施行。改正のポイントは、75歳以上のドライバーの「もみじマーク」装着と、後部座席シートベルトの義務化。「もみじマーク」は75歳以上の者が普通自動車を運転する場合に表示が義務づけられたもので、これに違反すると2万円以下の罰金または科料の罰則が科せられ、反則金4000円、違反点数は1点。また、ワイドミラーの装着を条件に免許を取得した「聴覚障害者」にも指定の標識を表示する義務があり、違反した場合は同様の罰則が科せられる。しかし、「もみじマーク」義務化に対しては「高齢者いじめ」との批判が高まり、警察庁は同年12月、同法を再改正し、罰則のない努力目標に戻すことを決定。マークのデザインについても再検討すると発表した。一方、後部座席シートベルトの着用義務については、運転手は助手席以外についてもシートベルトを装着しない者を乗車させてはならないとした。違反した場合は、罰則・反則金はないものの、違反点数1点が科せられる。この改正では、自転車利用者対策も講じられている。普通自転車の歩道通行可能用件が明確化されたり、児童・幼児(13歳未満の子供)を自転車に乗車させたり、補助イスなどに同乗させるときはヘルメットを装着するように努力することが定められた。また、警察庁は同年12月に道路交通法施行令の改正案を公表。「悪質・危険運転者対策」と「高齢運転者対策」の2つの側面から規制強化を推進する。具体的には、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上検出された場合は違反点数が13点から25点に引き上げられ、それだけで免許取消しとなる(欠格期間は2年間)。また、同0.15mg以上0.25mg未満の酒気帯び運転でも6点から13点となり、免許停止90日相当に引き上げられる。さらに、これらの悪質違反に救護義務違反(ひき逃げ)が重なった場合は従来の2~3年から10年の欠格期間になる。「高齢運転者対策」の強化については、75歳以上の運転免許更新に認知機能検査を導入することが柱。免許更新時に認知機能検査を受けた高齢運転者の中で、検査結果が一定の基準に当てはまる運転者を対象に臨時適正検査(診断)を実施する。この検査を受ける義務が生じる高齢運転者は、更新期間満了日の1年前からさかのぼって次回更新日までに「基準行為」となる交通違反があった人。「基準行為」とは信号無視、通行禁止違反、右側通行などの通行区分違反、通行帯違反、進路変更禁止違反、転回・後退等禁止違反、踏切不停止、遮断踏切立入り、一時不停止、交差点優先車妨害など15の行為を指す。