2009年6月に改正された道路交通法のポイントは大きく3つある。1つは酒酔い運転・酒気帯び運転の違反点数を大幅に引き上げたことで、酒酔い運転は従来の25点から35点に、酒気帯び運転は呼気1リットルにつき「0.25ミリグラム以上」で従来の13点から免許取り消しとなる25点に、同「0.25ミリグラム未満」でも従来の6点から13点へと変更された。2つ目は、悪質・危険な運転および違反行為(特定違反行為)に対する違反点数の大幅な引き上げである。「ひき逃げ」では35点+事故の責任点数が加わり、故意による人身事故(危険運転致傷)は45~55点に、故意による死亡事故(危険運転致死)は62点となった。さらに、「酒酔い運転」「危険運転致死傷」「ひき逃げ」をした場合は免許欠格期間として「3~10年」が科せられる。3つ目が75歳以上の高齢ドライバーが免許更新する際は「講習予備検査(認知機能検査)」を義務づけられたこと。これは75歳以上のドライバーの記憶力・判断力など、「認知機能」の低下の有無を確認するもので、「更新期間満了日前の6カ月以内」に受けなくてはならない。検査の結果、記憶力・判断力が低下していると診断され、専門医によって最終的に「認知症」と診断された場合は、運転免許が取り消される。検査後は結果に応じて「高齢者講習」を受けることも義務づけられ、そのような状況から免許を返納する高齢者が過去最多となっている自治体も多い。また、10年末の改正で、70歳以上の高齢ドライバーが車に表示する高齢運転者標識は、08年6月の登場以来「枯れ葉のよう」と不評だった「もみじマーク」から、活発な高齢者をイメージしたという緑、黄緑、黄、橙の4色を使った新デザイン「クローバーマーク」へと変更された。