衝突直前で自動的にブレーキがかかり、停止する自動車運転安全装置のこと。2009年8月にスウェーデンのボルボが、一部車種に低速用追突回避・軽減オートブレーキシステム「City Safety(シティ・セーフティ)」を標準装備したのに続き、10年5月には富士重工業(スバル)がレガシィに先進運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」をオプションで導入。富士重工業によれば搭載価格を約10万円程度に抑えていることも手伝い、レガシィでの搭載率は全契約の8割近くにもなっているという。先行したボルボは11年10月に「V70」「XC70」「S80」全車にシティ・セーフティを標準装備。スバルも11年12月にモデルチェンジした「インプレッサ」にオプションで導入し、今後は「フォレスター」のモデルチェンジに合わせて搭載を予定している。アイサイトの仕組みは、二眼式のステレオカメラで前方を立体視し、プリクラッシュブレーキ(→「プリクラッシュセーフティーシステム」)や全車速追従機能付きクルーズコントロール、AT誤発進抑制制御などを1つの装置で実現。プリクラッシュブレーキは前方に停止車両や歩行者を感知すると、時速30キロ以下で走行中の場合は自動停止し、対象物との速度差が時速30キロを超える時は衝突時の衝撃を軽減する。AT誤発進抑制制御は、AT(オートマチック)車のペダルの踏み間違いによる誤発進事故を防止できる。警察庁のまとめでは、10年中に発生した事故件数は72万5773件で、このうち追突事故は23万4993件と最も多く、こうした事故防止に力を発揮すると期待されている。