需要に応じて時間や移動先を自由に予約できる乗り合いのバスのこと。オンデマンドバス(On Demand Bus)とも言う。路線バスは運行路線などを事前に届け出し、それに応じて乗客がいてもいなくても走らせなければならない。それが自治体等の予算運用の非効率性を招いていた。デマンドバスは乗客の予約に応じて送迎を行うもので、路線を特に決めることなく乗客のニーズに応える形で運行する。利用者のニーズを効率よく実現できる運行システムも開発され、相乗りを前提としながら予約した到着時刻を守れるよう、コンピューターが効率よい経路やダイヤなどを計画する。あらかじめ余裕のあるダイヤを組み、回り道も可能になるなど、ドアツードアで利用者のニーズに柔軟に対応できるのが最大の特徴だ。以前ならシステムの導入費用として約1000万円程度は必要だったが、クラウドコンピューティング等によるオンライン利用で、月額6万円程度で済むようになったのも追い風となり、国土交通省の調査によれば、2009年2月1日現在すでに約160の自治体で導入済み。一方で、予約のためのパソコンや携帯電話に不慣れな高齢者も少なくないという課題もあり、パネル操作やカードをかざすだけのシステムも開発中だという。