自動車が障害物を感知し、衝突に備えて自動的にブレーキを動作させる機能の総称で、日本ではプリクラッシュセーフティーシステムや衝突被害軽減ブレーキなどと呼ばれることが多い。制御は自動車に搭載したレーダーやカメラからの情報をコンピューターが解析することで行われ、動作としては、最初にアラームなどを使って運転者へ警告を促し、制動などの操作が行われない場合は、システムが自動的にブレーキを作動させる。低速度域では、衝突そのものを防止することもできる。ヨーロッパでは2012年8月、すべての新車にAEBを搭載することを義務づける法案が欧州議会を通過。14年からはユーロNCAP(European New Car Assessment Programme 欧州安全性能評価基準)の対象項目となる見込みで、最高ランクの5つ星を取得するには欠かせない装備となる。消費者団体などで組織される唯一の公的衝突安全テスト実施団体ユーロNCAPコンソーシアムによると、AEBによって最大で27%、事故の発生を減らすことができるという。日本では14年11月以降生産される総重量12トン超の新型の大型バス、並びに大型トラックに対して装着を義務化する方針が決定している。