車載センサーなどを駆使して運転を自律・自動化した車両のこと。ドライバーレスカー(driverless car)、セルフドライビングカー(self-driving car)、ロボットカ―(robot car)などとも呼ばれる。グーグル(Google)が2017年までに実用化を目指すと発表して以来、自動車メーカーや家電メーカー、ITベンチャー系企業を交えた激しい開発競争が巻き起こっている。中でも注目されているのがやはりグーグルの動向で、14年5月には、自社設計の試作車(プロトタイプ)を披露。スタートボタンと終了ボタンのみでハンドルやアクセル、ブレーキを搭載しない丸みを帯びた小型車(通称「グーグルカー」)が、試乗会参加者を驚かせた。現時点では最高速度が時速40キロ前後にとどまるようだが、これを今後2年間で約100台を生産するとした。また、実用領域での自動運転車のスケジュールも見え始めた。日産は、16年末までに混雑時の高速道路で単一車線を自動走行できる技術を導入する予定で、18年には主に高速道路で自動的に車線変更や先行車の追い抜き、急な飛び出しや障害物の回避などが可能な車を発売。20年には一般道においても自動運転が可能な車を実現させる計画だ。トヨタも15年以降、運転支援システムや車線逸脱警報装置などの関連技術を段階的に導入することを発表している。これに先駆け、14年秋にはアメリカのミシガン大学敷地内に4車線道路や信号、踏み切り、建物などもある模擬市街地を作り、実際の走行環境に近い状態を再現して自動運転車の開発を加速。16年には公道を使った本格的な実証実験に取り組む予定だ。しかし、自動運転を実現するまでには、技術開発のみならず、事故が起きた場合の責任の所在などといった法律の問題や、ドライバーの意識への啓蒙(けいもう)など、解決すべき課題は多い。当面は、ドライバーの支援技術として普及が進むものと予想されている。