通学路や生活道路に車両が進入しないよう、自動昇降式車止めを設置して物理的に通行を制限するもの。「ボラード」とは、もともと岸壁で船を係留する杭(係柱、係船柱などと呼ぶ)のことだが、これが転じて道路交通の制御や誘導に用いられるさまざまな構造物も、この名で呼ばれるようになった。新潟市は社会実験として、2013年10月から14年2月まで、同市中央区の商店街「古町モール6」に日本初のライジングボラードを設置した。ヨーロッパなどでは広く普及しているが、日本の道路では、衝突の危険や救急車などの緊急車両への対応が難しいことから、これまで設置例がなかった。国内には、時間帯に応じた通行規制を行う区間は多数存在するが、この規制を無視して通行する車両が後を絶たず、重大事故を招くこともあった。同モールでも人通りの増える正午から翌日午前8時までは車両通行を禁止してきたが、規制を無視して通り抜ける違反者が後を絶たず、その対策としてこの実験はスタートした。設置したライジングボラードは、高さ71センチ、直径8センチの円柱で、道路の中央部に埋め込み、手動または自動で上下する。ヨーロッパでは金属製が使われるが、ここではウレタン製が用いられた。実験の結果、設置前の違反車は週に119台もあったのに対し、設置2カ月後には2台にまで減少。この効果を受け、新潟市は14年8月1日より常設として運用を開始した。