藤田伸二騎手の著書。講談社現代新書、2013年5月刊。「競馬界の真実」とのサブタイトルで、騎手をとりまく問題点を中心にJRAや競馬業界へ苦言を呈したエッセーで、歯に衣(きぬ)着せぬ語りが話題となり、発行部数は発売約3カ月で17万部を超えた。藤田騎手は1972年北海道生まれ、91年にJRAで騎手デビューし、2013年末現在1909勝(うち地方で42勝)。1996年フサイチコンコルドで日本ダービー(→「クラシックレース」)を制するなどJpn1を含むJRAのG1(→「グレードレース」)を16勝している。奔放な言動が批判や誤解を招くこともあったが、JRA随一のフェアな騎乗をする騎手として知られ、年間30勝以上し、なおかつ、進路妨害などによって加算される制裁点数の合計が10点以下の騎手に与えられる「フェアプレー賞」を歴代で断トツの17回受賞している。また、これまで3人しか受賞者がいない「特別模範騎手賞」(勝利数、勝率、獲得賞金のいずれかで5位以内に入り、なおかつ一度も制裁を受けなかった騎手に与えられる)を2度受賞している唯一の騎手でもある。