ブラックバスは、北米産スズキ目サンフィッシュ科の肉食性淡水魚。英名ラージマウスバス(オオクチバス large mouth bass)。1970年代からのバス釣りブームにより、釣り人によって違法放流された。現在はほぼ全国でその生息が確認され、45の都道府県で湖沼や河川への放流が禁止されている。繁殖力が強く在来種の生態系が侵されつつある。さらに一部の湖では、ラージマウスバスより冷水域での生息が可能なスモールマウスバス(コクチバス small mouth bass)の生息が確認されている。これに危惧をいだいた水産庁は、閉鎖系湖沼に限りブラックバスの生息を認めそれ以外の水域では駆除するというすみ分け案を提示した。しかし、ブラックバス駆除派と擁護派で意見が分かれ、公認釣り場が設置されればほかの水域へ持ち出される危険が増すと駆除派は反対。擁護派は、在来種の減少は河川改修や水質の悪化など生息環境の変化が原因、ブラックバスだけを悪者にするなと、公認釣り場の設置を歓迎している。これを機会に、水辺の環境政策のあり方も含め、論議や実態調査を大いに推し進めるべきだろう。