パブリックフットパス(Public Footpath)ともいう。歩くことを楽しむための道。土地の囲い込み(エンクロージャー)が進んだ産業革命期のイギリスでは、私有地が増えたが、たとえ外部の人間であっても、敷地内を通る道を歩くことは権利として確保され、「歩く権利(The Right of Way;ROW)」と呼ばれた。これがフットパスの発祥で、もともとは生活道路だったが、現在ではイギリス全土に網の目のように広がり、散歩道やハイキングトレイルとして利用されている。近年では日本でも、このシステムに基づく道が作られるようになってきた。登山でもなく、散歩でもなく、もっと生活のにおいのする田園や古い町並みを、自然を感じながら長い距離を歩く。そのための道が北海道や東北など各地で整備され、都市部の人たちにはリフレッシュを、受け入れ側には地元をアピールする機会を与えるシステムとして広がりつつある。