ヒマラヤ山脈付近には8000メートル級の山(Eight-thousander)が14座ある。そのすべてを登頂した人は、これまでにラインホルト・メスナー(イタリア)をはじめ30人。日本では「14Project」を掲げ、14座全制覇を目指す竹内洋岳が2009年までに12座を制覇。残る2座は、チョー・オユー(8201メートル)とダウラギリ(8167メートル)だけとなった。10年9月、同行するパートナーを公募し、3人のパーティーで13座目のチョー・オユーに挑戦。しかし7700メートル地点で雪崩の危険があるため断念した。その後11年9月30日、再度ノーマルルート(オーストリアルート)からチョー・オユーに挑み、登頂に成功。そして12年5月、残るダウラギリに無酸素で挑み、ついに日本人初の14座全制覇を達成した。竹内は1995年のマカルー(8463メートル)を皮切りに、17年をかけて14サミッターの仲間入りを果たした。14サミッター30人のうち、女性はスペインのエドゥルネ・パサバンとオーストリアのゲルリンデ・カルテンブルンナー。韓国の呉銀善(オ・ウンソン)も2010年に達成したとされたが、2009年5月のカンチェンジュンガ(8586メートル)登頂が頂上未踏破ではないかとの疑惑が浮上。審判のいない登山では山頂写真などを証拠とするが、悪天候などで撮れないこともある。そんな時は、山頂に旗やプレートを残すという方法もある。大韓山岳連盟は登頂判定会議を開き、写真資料などから登頂したと見るのは困難との見解を出した。同行したシェルパの1人も事実上登頂を否定する発言をしており、ますます疑惑を深めている。