東京の近郊西にある標高599メートルの山。以前から、豊かな自然を堪能できる手軽なハイキングコースとして根強い人気だったが、ここ数年「登山客」が急増している。都心から電車で約1時間とアクセスが抜群によく、ケーブルカーやリフトを使えば40分ほどの歩行時間で頂上に立てることから、ゴールデンウィークなどはケーブルカーが15~30分待ち、登山道も渋滞するほどの混雑だという。これは2007年から連続して旅行ガイドの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で、日光、京都などと並ぶ最高の「3つ星」にランクされていることや、最近の「パワースポットブーム」で、山中にある修験道の霊場高尾山薬王院にも注目が集まっていることなどが理由と見られる。登山の入門的な山ではあるが、さる園・野草園や展望レストランなど、観光的な楽しみ方も多く、焚火やゴミの投棄などルールを守らない客、サンダルやヒールの付いた靴などで来る客もいて、遭難事故さえ起こっている。