2004年11月に劇場公開された宮崎駿監督の作品で、スタジオジブリ製作の長編アニメーション映画。ダイアナ・ウィン・ジョーンズによるイギリスの小説が原作だが、かなり宮崎色の強い脚色となっている。脚の生えた奇怪な古城に住む魔法使いハウルと、魔法で90歳の老婆にされた少女ソフィーとのラブロマンスが物語の中心で、ハウル役には木村拓哉を起用するなど、女性層にも大きくアピールした結果、2日間で観客動員数約110万人と邦画史上の最高記録を樹立した。同年は大友克洋監督の「スチームボーイ」、押井守監督の「イノセンス」と予算規模20億円以上のアニメーション超大作映画が立て続けに公開された。アニメならではの現実を超えた世界観とドラマを2時間前後に凝縮して提示できる劇場用作品は、興行的にも期待が大きい。その一方、マンガなど人気原作のないオリジナル作品の場合、一般観客への認知度が低いためリスクも大きいといえる。