2001年の映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」で高い評価を受けた原恵一監督による、07年夏公開の長編アニメ映画。江戸時代から眠り続け、現代によみがえった河童(かっぱ)のクゥが巻き起こす騒動を描く。木暮正夫の児童文学が原作で、企画は20年来温められていたもの。クゥとそれを拾った家族の視点の衝突を通じて、文明によって変わり果てた現代の環境とそこに生きる人間の姿を照らし出す。2時間18分という長尺を飽きさせない演出力は、実に見事だ。第31回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、第81回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第5位、第62回毎日映画コンクールアニメーション映画賞、東京国際アニメフェア2008 第7回アニメアワード国内劇場部門優秀賞・個人賞部門脚本賞など、数々の賞を受賞。