「聖地巡礼」とはアニメ作品のロケハン地(モデルになった場所)へファンが訪れること。風景や雰囲気にリアリティーを獲得するため、アニメでも実写並みの取材が盛んに行われている。2005年の柿崎俊道による「聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり」(キルタイムコミュニケーション)という単行本をきっかけに、現地を訪れることが流行。特にヒット作「らき☆すた」では、作中の鷹宮神社のモデルとされる埼玉県の鷲宮神社とその周辺に大勢のファンが集まり、初詣での参拝者数も07年から10年にかけて13万人、30万人、42万人、45万人と3倍以上に増加した。自治体や地元商工会とファンが共同で、地域活性化のための「町おこし」や観光誘致を行うなど、拡大した活動はニュースにもなった。本来バーチャルな存在であるアニメのキャラクターと現実を結びつける新たなムーブメントである。