直木賞作家・高樹のぶ子の小説『マイマイ新子』を片渕須直監督とマッドハウスがアニメ化した。2010年度(第14回)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞。昭和30(1955)年の山口県防府市に、都会から転校生として来た貴伊子の閉じた心を、麦畑の中で想像力豊かに育った少女・新子が解放する。1000年前、幼少の清少納言が暮らしていた都と、55年前の敗戦から高度経済成長へ向かう防府の風景が交錯する中で、子どもたちが不条理な現実を乗り越える姿は多くの感動を呼んだ。ところが興行面では、09年11月21日の封切り以降、成績が振るわず多くの劇場が上映を縮小してしまった。その後、本作を高く評価する観客が署名運動やツイッター上での自主宣伝を開始し、それに呼応した劇場が上映継続したため、公開後1年以上に及ぶロングランとなった。