1970年代初頭に発表されたジョージ秋山のマンガを「TIGER&BUNNY」のさとうけいいち監督が映像化した劇場映画。2012年9月29日公開。原作マンガ連載時、「戦国時代の飢饉(ききん)で人が人肉を食べる」というシーンが社会問題となったが、そこには極限状況における「いのち」という主題を明確化する原作者の意図があった。この姿勢を引き継ぐかたちで流血描写などを避けず、生々しさを描くことが苦手とされてきたフルCGアニメ(→「フルCGIアニメ」)で表現し抜いた作品である。キャラクターはCGモデルだが、手描きに近いタッチの主線を追加し、血や涙、肉などのテクスチャーは実写も取り込むなどの工夫で、表現の先端を切りひらいた点が高く評価され、12年12月、第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。