アニメや特撮作品に登場する巨大ロボットや宇宙戦艦など、機械類の外観や機構をデザインする専門家のこと。現実に存在しない空想メカを専業でデザインする職種自体、玩具メーカーとのコラボレーションが発達した日本独自のもので、世界的にも珍しい。1960年代までは日本のアニメ界でもキャラクターデザイナー(作画監督)や美術監督の分担であったが、72年の「科学忍者隊ガッチャマン」第4話で大河原邦男が初の専業となった。「機動戦士ガンダム」を含む40年に及ぶ継続的な活躍と、「メカデザイン」というクリエーターの存在が触発した日本の工業界全般への寄与が高く評価され、2012年12月、大河原は第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門功労賞を受賞した。なお、日本ではメカデザイナー、あるいはメカニックデザイナーと呼ばれることが多いが、いずれも和製英語で、厳密にはメカニカルデザイナー(mechanical designer)が正しい。