人並みに話をする家政婦ネコである「猫村さん」の日常を描いた作品。作者は、ほしよりこ。2003年7月より、ケーブルインターネットサービスの加入者専用サイトで1日1コマずつ公開されていたマンガだが、単行本化され広範な読者を獲得した。鉛筆で描いたヘタウマ系のタッチが素人っぽい雰囲気を醸し出す。猫村さんが働く犬神家は少し荒れた家庭である。大学教授の亭主は元教え子と不倫、しかし妻への思いも捨てきれずに悩みを抱えている。その妻は美容整形が趣味、2人の子どものうち中学生の娘はやや不良、祖母は家庭内別居という設定。その中で猫村さんは、おせっかいを焼きながらも一家を支えるべく奮闘する。ひとくせある家庭を家政婦のネコの視点からユーモラスに描いた家庭ドラマと言えるだろう。単行本はマガジンハウスより出ており、連載は登録制無料サイト「猫村.jp」に移っている。